こんにちは、shida-naniです。
みなさん、勉強していますか?
学生の方なら、定期テストや進学のために勉強していると思いますし、社会人の方でも、資格勉強や専門知識を身に着けるために勉強している人も多いのではないかと思います。
せっかく勉強するなら、質の低い勉強をだらだらと長い時間行うのでなく、質の高い勉強により短い期間で成果を出したいものですよね。
今回は、そんな願望に答えてくれる本をご紹介します。
【本紹介】
・タイトル:科学的根拠に基づく最高の勉強法
・著者:安川康介
・発行年月:2024年2月15日
著者の安川康介さんは、慶応義塾大学の医学部在籍中、日本医師国家試験とアメリカ医師国家試験を卒業前に両方合格するという偉業を達成した方です。私は医師国家試験に関して大した知識は持っていないのですが、試験の2か月前まで臨床での実習をしつつ、相当難易度の高い資格を2つも取得することは、とても人間が成せる業ではないと思います。
そんな著者が行っていた勉強法が、実験を通じて証明された科学的根拠と併せて解説されていますので、だいぶ信ぴょう性は高いと考えています。
それでは、その勉強法を見ていきましょう。
実は効果の低い勉強法3選
まずは、みなさんが勘違いしている、実は科学的にはあまり効果がないとされている勉強法をご紹介します。
間違った勉強をしないことは、正しい勉強を行うことと同じぐらい大切です。
効果が低い勉強法は以下の通りです。
これらに共通するのは、脳への負荷が少ないことです。頭をあまり使わなくても実行できるため、多くの人がやりがちですが、学習効果はあまりないので注意が必要です。
それぞれ見ていきましょう。
再読する
じつは、再読は効果が低い勉強法です。書籍内で再読の学習効果に関する研究が紹介されていますが、数回読み直したからといって、テストの成績は良くならなかったようです。
再読すると、前回よりもスムーズに読めるようになり、理解できたと思ってしまいますが、これは単純に文章に慣れただけのようです。
この慣れを、内容を理解したものと錯覚して満足してしまう人が多いのです。
実際の理解と、流暢に文章を読めるかどうかは、全くの別物です。これは、「流暢性の錯覚」といい、何かがスムーズに進むと、他の関係ない物事もうまくいってると勘違いしてしまうというものです。
人が気を付けるべき認知バイアスの一つでもありますので、注意したいですね。
下線を引く
ただ下線を引くことに、大した学習効果はありません。色とりどりの蛍光ペンで丁寧に下線を引くと、それに満足してなんとなく勉強した気になってしまいます。
しかし、下線を引いただけでは脳にあまり負荷がかかっていないため学習内容は定着しません。
下線を引きたいなら、明確な目的を定めてからそれに基づいて実行するといいでしょう。
例えば、英単語帳でどうしても覚えられない単語に下線を引いて強調し、読み返したときに優先的に暗記できるようにするといった感じです。
ここで言いたいのは、なんのルールも決めずにむやみやたらに下線を引いて、勉強した気になってしまわないよう注意しましょうということです。
ノートに書き写す
ノートに書き写すことは多くの人がやりがちな勉強法ですが、科学的には学習効果は認められていません。
ノートに書き写したりきれいにまとめる作業は時間がかかりますし、達成感が得られるため勉強した気になってしまいます。
しかし、ノートをきれいにとることに意識が向き、肝心の内容理解がおろそかになってしまっては本末転倒です。
ここでも大事なのは、ノートをとることに気を取られて思考停止状態に陥らないことです。
効果が高い勉強法として後述する、精緻的質問や自己説明と組み合わせてノートをとることにより、学習効果は高まります。
科学的に立証された効果の高い勉強法3選
効果の高い勉強法とは、前述したものと異なり、脳への負荷が高い勉強法ということになります。
効果の高い勉強法は以下の通りです。
それぞれ見ていきましょう。
アクティブリコール
アクティブリコールとは、和訳すると「積極的に思い出す」ということです。想起練習ともいいます。
文字通り、学習した内容をあらゆる手段を使ってアウトプットする勉強法です。アクティブリコールの方法は様々ですが、ここでは主だったものをご紹介します。
とにかく、インプットした内容をアウトプットします。
勉強法に関する本では必ず書かれているようなことですが、それだけアクティブリコールが大事ということです。
アクティブリコールを実行する上で念頭に置きたいことを以下にまとめます。
- なるべく手掛かりがない状態で行った方が効果が高い
- 短期的には効果が実感しにくい
- アウトプットした後にフィードバックを行うことにより学習効果はさらにアップする
樺沢紫苑先生が執筆されたベストセラー作品である「学びを結果に変えるアウトプット大全」でも、アウトプットの重要性について解かれています。
この本の中でインプット:アウトプットは3:7が最適であると記載されています。
未だにインプット中心の学習をしている人がほとんどですので、この事実をより多くの人に知ってもらいたいです。
分散学習
分散学習は、一度にまとめて学習するよりも、間隔を空けて複数回学習した方が学習効果が高まるといった理論に基づいた学習法です。
もし、学習時間を2時間設けるなら、一日で2時間勉強するよりも、二日に分けて1時間ずつ勉強した方が学習効果が高いということです。
この理論は、エビングハウスの忘却曲線でよく記述できます。
学習間隔について現段階では最適解は出ていないので、学習内容や期間から自分に合った間隔で勉強するのがいいと思います。
個人的には、二日後、一週間後、一か月後に再学習することにより十分に定着すると実感しています。
ここで直面するのが、学習日をどう記録するかといった問題です。記録用のノートを作って逐一記録するのもありですが、私的には面倒で継続できる気がしません。
そこで私は、教材の目次に学習日を記録するという手法をとっています。ついでに、フィードバックした際の自己評価も記入します。これなら、私のような面倒くさがりでも続けられるのでおススメです。
分散学習は、アクティブリコールと相性がいいです。うまく組み合わせることができれば、相乗効果が期待できます。
精緻的質問・自己説明
精緻的質問と自己説明は、上記の勉強法よりも少し難しい概念ですが、勉強に組み込めれば大きな効果が期待できます。
それぞれ説明いたします。
精緻的質問
精緻的質問とは、要するにもっと踏み込んだ質問をするということです。
例えば、信号の止まれは赤色であるように警戒や危険を示す色は全世界共通で赤色であるという面白い事実について、なぜ赤色は警戒色として採用されやすいのか?といった具合に掘り下げる感じです。
(ちなみにこの答えは、赤い光は散乱されにくく、遠くまで届くため危険を知らせやすいからです)
このように、すでに知っている情報に対してなぜ?どうして?と質問していくことにより、自発的に学習することを促します。
人の脳にはGPS機能のようなものがあり、目標や問いを入力するとそれに関する情報を取り入れやすくなります。
また、純粋な問いは好奇心を刺激し、集中力や記憶を長期保存する能力が高まります。
ただ、基礎知識が乏しいと適切な問いを立てられないため、ある程度の知識が蓄積されてから精緻的質問をするのが良いでしょう。
自己説明
自己説明は、学習内容やその理解度を自分自身に説明するという勉強法です。
具体的には、
- このページの中で既知の情報と未知の情報はそれぞれどれか
- この情報は今持っている知識とどのような関連性があるか
- このページの内容を誰かにわかりやすく説明できるか
- この分野は試験で合格するのに十分な完成度か
といった感じです。
このように、自分がどれぐらい認知しているかを認知することには大きな学習効果が期待できます。
自分の中で知識を体系化していく上で、新しい情報をすでにある知識と適切に結びつけることは欠かせないプロセスです。
また、自分の理解度を客観的に、正確に把握することにより、今後の勉強スケジュールを立てる上でもとても有効に働きます。
既に完成度の高い分野に時間を費やすような無駄を減らし、まだ完成度の高くない分野に多くの時間を割くことができます。
まとめ
今回は、安川康介さんの著書「科学的根拠に基づく最高の勉強法」についてご紹介しました。
上で述べた内容以外にも、モチベーションの保ち方や日頃の生活で注意すべきことなども書かれていますので、ぜひ読んでみてください。
大事な部分を簡単にまとめます。
- 脳に適度な負荷のかかる勉強をしよう!
- アクティブリコールと分散学習を組み合わせた勉強が最も効果的!
- 精緻的質問・自己説明により、頻繁に自分自身と対話しよう!
私は勉強法に関する本を数冊読みましたが、この本が最もしっくりきましたし、エッセンスを網羅していると感じました。
ここで書かれていることを実践すれば、間違いなく今までよりも高い学習効果を出せると確信しています。
この記事を読んだ皆様が、より効果的な勉強を実践し、目標に効率よく進めることを願っております。
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